小さな会社の給与計算。注意点はこんなところです。

ひとりビジネス、数人でビジネスをしている会社が、給与計算を専門にしている人を雇うことはそうないでしょう。

給与計算を全くやったことない方にとって給与計算は苦痛です。

ただ、小規模な会社が注意すべき論点はそう多くありません。

1年を通していつ何が変わってどの金額を変えなくてはならないのか、一般的な変更点をざっくりまとめました。

※台北市の龍山寺より

 

  1月〜4月

▶︎1月
特に変更すべき事項はありませんが、年末調整により算出された調整額を、1月の給与で加算、若しくは控除する場合は、1月支給の給与に年末調整分を加算、若しくは控除する必要あります。

▶︎2月
特に変更すべき事項はありません。

▶︎3月
特に変更すべき事項はありませんが、社会保険料を当月徴収(3月分の社会保険料を3月支給の給与から控除)している場合は、健康保険料及び介護保険料の料率改定があるので確認、並び変更が必要です。
※協会けんぽの場合は、都道府県ごとに料率が異なりますので、どの地域に加入しているか注意が必要です。

▶︎4月
一般的にはこちらが多いのですが、社会保険料を翌月徴収(3月分の社会保険料を4月支給の給与から控除)している場合は、健康保険料及び介護保険料の料率改定があるので確認、並びに変更が必要です。
※上記同様

また、雇用保険の料率の改定もありますので、こちらも確認、並びに変更が必要となります。
※雇用保険に関しては当月徴収、翌月徴収は関係ありません。4月支給分より変更となります。

 

 5月〜8月

▶︎5月
特に変更すべき事項はありません。

▶︎6月
従業員の住民税について特別徴収(会社が天引きして会社が納付)の場合は、6月から控除額が変更になります。
普通徴収(個人宛に納付書が届き個人で納付)の場合は、変更すべき事項はありません。

▶︎7月
従業員の住民税について特別徴収をしている場合は、7月以降の住民税につき、6月に変更した控除額とは端数処理の関係で若干控除額が変わる可能性があるので注意が必要です。
変更が必要がどうか、会社に送られる各個人の通知書を確認しましょう。

また、6月と同様に普通徴収の場合は、変更すべき事項はありません。

▶︎8月
特に変更すべき事項はありません。

 

 9月〜12月

▶︎9月
特に変更すべき事項はありませんが、社会保険料を当月徴収(9月分の社会保険料を9月支給の給与から控除)している場合は、以下の確認が必要です。
厚生年金保険の料率改定があります。
※厚生年金保険の料率は、平成16年から平成29年まで段階的に引き上げが決まっていましたが、平成30年からの引き上げがどうなるかは未定です。
②社会保険料の定時改定(4月〜6月の給与で標準報酬月額を決める)より健康保険料介護保険料、並びに厚生年金保険標準報酬月額が変わっている可能性があるので、標準報酬月額が変わっている場合は金額の変更が必要です。

▶︎10月
一般的にこちらが多いのですが、社会保険料を翌月徴収(9月分の社会保険料を10月支給の給与から控除)している場合は、以下の確認が必要です。
厚生年金保険の料率改定があります。
※上記同様
②社会保険料の定時改定(4月〜6月の給与で標準報酬月額を決める)より健康保険料介護保険料、並びに厚生年金保険標準報酬月額が変わっている可能性があるので、標準報酬月額が変わっている場合は金額の変更が必要です。

▶︎11月

特に変更すべき事項はありません。

▶︎12月
年末調整により算出された調整額を、12月の給与で加算、若しくは控除する場合は、12月支給の給与に年末調整分を加算、若しくは控除する必要あります。

 

 その他

給与を年の途中で大幅に増減させると、社会保険の随時改定(天引きする社会保険料が変わる)が必要になってくる可能性があります。

意識しないで同額を毎月支給し続けてしまって、誤った額を支給し続けてしまうケースが多くあります。

何月に何が変更されるか、頭では分かっていても忘れてしまうのが人間です。

変更事項を失念しないためにも、1年の初めに、カレンダーやスケジュールに年間の変更点を入力(記入)してしまうのをおすすめします。

 

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【編集後記】
近江商人の”三方よし”という言葉があります。
これは「売り手よし、買い手よし、世間よし」という近江商人の精神を表現した行動理論です。

お金を儲けることを第一とした商売に、この精神はありません。

昨今の営利至上主義により、日本の誇りであり文化でもあるこの精神が、失われつつあると感じています。

日本にも経営コンサルタントや経営アドバイザーなどが無数に存在しますが、そもそも海外の経営スタイルが日本の経営スタイルに常にマッチするのかも疑問です。

民族、文化、習慣など全く違う生い立ちの中で古代から育まれてきたのが人間であり、そしてそもそもの商売の心意気が全く違うのですから。

当然良いところは取り入れるべきですが、そろそろ何でもかんでも真似して受け入れるのは辞めましょう。

ただ、今後は日本が戦後追い求めてきた大量生産・大量消費の「量」の社会から、日本が古来から得意としている「質」の社会へと、どんどんシフトして(戻っていく)ことは確実です。

この「質」を追求していくことがスタンダードになり、そして起業にあたっても重要な武器になっていくでしょう。

 

【昨日の心・技・体】
心:読書(野球アンダースロー (スポーツ極みシリーズ)/渡辺 俊介)
技:なし
体:@ティップ.クロス TOKYO 渋谷
・SPINNING45
・体幹トレーニング×2
・ファンクショナルトレーニング(下半身)×2

 

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この記事を書いた人

1978年9月 茨城県水戸市生まれ、埼玉県春日部市育ち。
東京都渋谷区在住。愛犬は4歳、娘2歳。
趣味は、野球(毎週日曜日)、愛犬の散歩。

雇われない・雇わない生き方である「ひとり税理士」として活動しています。

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