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平成30年度 税制改正大綱。所得税の改正はどんな感じ?

 
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1978年9月30日生まれ。 春日部育ち、渋谷区在住。 「雇われない・雇わない生き方」をするひとり税理士。 ひとり、もしくは少人数で活動している事業主(経営者)のサポートを中心に活動しています。
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平成30年度の税制改正大綱ですが、このままいくと2月に通常国会へ提出、3月中に成立・交付、そして4月1日施行となる予定です。

今回は所得税の概要についてざっくりとまとめてみます。

※自宅より

 

給与所得控除など

給与所得控除についての見直し

  1. 給与所得控除額が、一律10万円引き下げられます。
  2. 給与所得控除の上限額が適用される給与等の収入金額を850万円、その上限額を 195万円に引き下げられます。

つまり、給与等の収入が850万円を超える方は残念ながら増税となります。

なお、850万円以下の方も上記1.で一律10万円引き下げられますが、「基礎控除」で10万円引き上げられますので、増税にはなりません。

 

特定支出についての見直し

  1.  特定支出の範囲に、職務の遂行に直接必要な旅費等で通常必要と認められるものを加える
  2. 特定支出の範囲に含まれている単身赴任者の帰宅旅費について、1月に4往復を超えた旅行に係る帰宅旅費を対象外とする制限を撤廃するとともに、帰宅のために通常要する自動車を使用することにより支出する燃料費 及び有料道路の料金の額を加える

そもそも「特定支出とは何ぞや」、という方が多いですし、実際関係ない方がほとんどでしょう。

簡単に言うと、「サラリーマンにも経費として認められる支出があるよ。でも確定申告を自分でしてね」という感じです。

ただ、その経費の枠はかなり限られたものですし、サラリーマンの方にとって馴染みのない確定申告に係る手間や時間を考えると、中々普及しないのも現実です。

 

公的年金等控除

公的年金等控除についての見直し

  1. 控除額が一律10万円引き下げられます。
  2. 公的年金等の収入金額が1,000 万円を超える場合の控除額については、195万5千円の上限が設けられます。

つまり、公的年金等の収入が1000万円を超える方は残念ながら増税となります。

なお、1000万円以下の方も上記1.で一律10万円引き下げられますが、「基礎控除」で10万円引き上げられますので、増税にはなりません。

 

基礎控除の引き上げ

基礎控除についての見直し

  1. 控除額が一律10万円引き上げられます。
  2. 合計所得金額が2,400 万円を超える個人についてはその合計所得金額に応じて控除額が減り、合計所得金額が2,500万円を超える個人については基礎控除の適用はできないこととされました。

つまり、合計所得(この場合は給与所得以外の所得も含まれます)が2,400万円を超える方は残念ながら増税となります。
給与所得850万円超ある方で合計所得も2,400万円超ある方は、給与所得控除の減額も合わせダブルパンチとなります。

なお、1.の10万円引き上げについては、給与所得控除額の10万円引き下げとワンセットと考えていいでしょう。

基礎控除額見直しの結果の控除額

合計所得金額 基礎控除の額
2,400万円以下 48万円
2,400万円超2,450万円以下 32万円
2,450万円超2,500万円以下 16万円

※現行は全て38万円

 

基礎控除の引き上げ等に伴う調整

控除の種類 調整金額
青色申告特別控除 控除額は55万円(現行は65万円)に引き下げられます。
配偶者控除・扶養控除 同一生計配偶者、および扶養親族の合計所得金額要件が48万円以下(現行は38万円以下)に引き下げられます。
配偶者特別控除 配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額要件が48万円超133万円以下(現行は38万円超123万円以下)とされ、その控除額の算定の基礎となる配偶者の合計所得金額の区分が、それぞれ10万円引き上げられます。

※青色申告特別控除については、適切な帳簿保存を行って、かつe-Taxで申告すれば、現行の65万円控除がとれます。要は「電子申告してね」ということです。

 

まとめ

今回の個人所得税に関する改正は、概ね高額所得者に対する増税となりました。

今後もこうした高額所得者に対する増税が進んでいくでしょう。

世界でもそうですが、日本でも貧富の差が広がっていくことが予想されています。
資本主義社会にとっては回避することが出来ないそういった未来ではありますが、いつか限界が来るでしょう。

お札を大量に発行しインフレさせて政府の借金を目減りさせようとしていますが、中々机上の想定通りにはいかないの実体経済です。

税制も付け焼き刃的な改正ではなく、未来の目指すべき日本に合わせた改正をすべき時が近づいているのかもしれません。

 

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【編集後記】

「はれのひ株式会社」の社長が、経営不振をきっかけにトンズラしてしまいました。

ちなみに元々は「シーン・コンサルティング株式会社」という商号で設立され、設立当初はコンサル事業をしていたようです。そこで振袖販売のノウハウを得たのか、直接振袖の店舗展開を始めたようです。

急拡大、急成長を目指した結果、多額の負債を抱えて経営不振に陥る会社は後を絶ちません。

今回の「はれのひ株式会社」や、少し前の「株式会社てるみくらぶ」のように、一般個人に対して詐欺に近い行為がなされた場合、大々的にマスコミに取り上げられます。

が、一般個人以外に中小企業もこういった貸した(売った)お金を回収出来ない、いわゆる『貸し倒れ』の憂き目に合っており、その『貸し倒れ』の影響は中小企業の経営にとっても非常に痛手となります。

「はれのひ株式会社」の債務超過額は約3億円。

倒産する会社の債務超過額としては大きい方ではありませんが、やはり一般個人に対する債務が多くあり、かつ、成人式にトンズラしてしまったことで、これだけ大きな問題になってしまったと思われます。

コンサル出身であれば、利益の出ない店舗はさっさと事業譲渡をし、利益の出る店舗に注力しV字回復できるよう事業計画を作り、自身の見栄のためタワーマンション(おそらく社宅)に住んだり、ベンツ(おそらく社用車か会社リース)に乗ったりせず、会社にお金を残すことを第一に考えそうなのですが、中々そうもいかないようです。

会社の理念(「ハタチを刻む。可愛く、そして美しく。」)は立派ですが、社長の目指すところは残念ながら自己中心的なものでした。

事業拡大!上場!もいいのですが、それは自身が提供するサービスがお客様に認められた結果与えられるご褒美のようなものです。

そのご褒美をいただく前から、事業拡大したいからご褒美頂戴頂戴!と言っても誰も応援しないでしょう。

こういった人は、GIVE&TAKEで言うと、完全にTAKER(真っ先に自分の利益を優先させる人)と言えるでしょう。

現在NHKでやっている大河ドラマの主人公である西郷隆盛氏のようなGIVER(人に惜しみなく与える人)としての生き方をしたいものです。

 

【週末の読書・トレーニング】
読書:残酷すぎる成功法則/エリック・バーカー
体力:税理士会日本橋支部野球部の練習
・1.5km走×2本
・ボール回し、ネットスロー、ロングティーなど

 

 

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