危機感を感じにくい今だからこそ、「老後」の生活を考えてみる

何歳からを「老後」というのか特に定義はありませんが、経営者にとっては経営リタイア後、サラリーマンにとっては退職後、ということになるのでしょうか。

その「老後」にご自身が望む生活、いったどれくらいのお金が必要なのか、それにはいくら足りないのか、一度頭を整理して考えてみましょう。

※ibu okaのバビグリン

 

公的年金だけでは厳しい現実

現在、年金の支給開始年齢は60歳〜65歳ですが、将来、年金財源の不足により支給開始年齢が引き上げられ、そして支給される金額も減らされることは、ほぼ間違いないでしょう。

私(現在38歳)が年金を受け取るころには、支給開始年齢は68〜70歳くらいになり、支給金額も現在の6〜8割程度になってしまうことも十分考えられます。

このまま少子高齢化が進むと、若い世代の負担はさらに増していきます。

財務省が公表している次のグラフ『世代ごとの受益と負担※』を見ると、そのことがよく分かります。
※税金や社会保険など「支払った金額の合計」と、そこから公的年金や給付金などとして「受け取れる予定の金額の合計」を世代ごとに表しているグラフ

少々古いデータ(平成17年度版)ですが、これによると私世代(1978年生)は、約1,600万円の赤字になります。

これはこれからずっと税金や社会保険を納め続けても、生涯を通して見ると元が取れるどころか、約1,660万円の赤字になるということです。

ちなみに1943年以前に生まれた人は約4,800万円の黒字になっています。

現在、海外旅行に行き趣味を楽しんでいる現在のリタイア世代を目の当たりにしていると中々イメージが湧き辛いですが、将来老後を迎える若者世代は、現状から何も行動を起こさなければ、このような「ゆとりある老後」は送れなくなるでしょう。

将来年金だけに頼って生活することは出来なくなることは確実です。

老後の資金繰りをしっかり考えて、今からすぐに行動を起こす必要があります。

 

老後に必要なお金を考えておきましょう

将来自分が迎える老後の生活を、もう国に頼ることは出来ません。
※現在の年金受給者の犠牲を伴いながら、現状の年金制度を抜本的に改革すれば、まだ改善は可能です。がそれを実現するのはかなり厳しいでしょう。

では、予想される公的年金のほかに、具体的にいくら貯めればよいのでしょうか。

平均的に必要とされる金額は、以下より夫婦2人世帯ならば3,000万円くらいとされています。

[老後までに貯めたいお金の計算]
①無年金期間(60歳〜64歳)の生活費
約1,400万円
②65歳以降の生活費 ※87歳まで必要と仮定
約1,400万円
③万が一の病気などに備えるお金
200万円〜300万円くらい

※夫婦2人世帯の月平均支出は約23万5千円平均収入が約18万1千円とされています。
(2013年の総務省調査より)
※持ち家のケースとなっているので、住宅ローンが残っていたり賃貸住宅の場合はその分のお金も上乗せする必要があります。

さらにこの目標金額は、衣食住の基本生活を送るために必要なお金となります。

旅行に行ったり趣味を楽しんだりと「ゆとりある老後」を送るために必要とされる金額の平均は、毎月35万4千円となっています。(2013年生命保険文化センターより)

前述の平均収入18万1千円では約17万円足りません。

月17万円ということは、年間で204万円、60歳〜87歳までの27年間で、さらに5,500万円が必要となってきます。

「ゆとりある老後」を送るためには、基本生活費である3,000万円に5,500万円を足した約8,500万円もの貯蓄が必要となることが分かります。

これはあくまで平均的なデータを元に算定した金額となりますので、ご自身の老後のライフスタイルに合わせて、より詰めて計算をしていく必要があります。

ただ、ひたすら預金するだけで8,500万円を貯めるのは、非常に困難です。

そのためにも自分の力で目標の金額に近づけるよう金融リテラシーを高めるしかありません。

巷では様々な投資商品が出回っております。

自分にとってベストな投資などや、その運用方法は何か、少しでもお役に立てる情報を今後も発信していきたいと思います。

 

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【編集後記】
フランスの大統領選挙はマクロン氏の圧倒的勝利により幕を閉じました。

エリート街道を歩んできた39歳の若者の当選でフランスは今後どう変わっていくのか、楽しみではありますが、厳しい道のりになることは間違いないでしょう。

フランスの失業率はここ数年9%〜10%あたりを推移しており、ここ2,3年で失業率を低下させてきているイギリス(8%から4%くらいに改善)やドイツ(5%から3%くらいに改善)に大きく水をあけられてます。

フランスは最低賃金の高さ(フランスのGDPはドイツの3分の2ほどだが、最低賃金はドイツとほぼ同額)や長期の失業手当支給の問題など、国際競争力を低下させる政策がまだ多く残っていますが、今後は、国際競争力を高めるために現在を犠牲にして未来へ繋げる政策にするのか、それとも経済的豊かさを犠牲にしてスペインのような精神的豊かさを追求する政策にするのか。

ちなみにマクロン氏の直近の課題としては、6月に行われる下院選挙でマクロン支持派の議席を過半数獲得しなければならないことでしょう。

ここで議席の獲得に失敗してしまうと、マクロン氏が描いている改革を進めていくことは、より困難となります。

若手と言えば、日本にも若手政治家のホープである自民党の小泉進次郎議員(現在36歳)がいます。

特に自民党支持派ではありませんが、将来の日本のためには、若いリーダーが必要だと考えています。

大臣がコロコロ変わる政治にみんな辟易しています。誰がやっても同じに見えますし…(- -;)

自分の頭で考え行動し発言する政治家は、若い政治家に多いように感じています。

出る杭は間違いなく打たれる政治の世界ですが、ベテラン政治家の方達は、自己保身のみを考えないで必死で出ようとしている杭のサポートをし、将来の日本も支えて欲しいものです。

 

【昨日の心・技・体】
心:読書(永遠のゼロ)
技:なし
体:腹筋トレーニング×2セット

 

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この記事を書いた人

1978年9月 茨城県水戸市生まれ、埼玉県春日部市育ち。
東京都渋谷区在住。愛犬は4歳、娘2歳。
趣味は、野球(毎週日曜日)、愛犬の散歩。

雇われない・雇わない生き方である「ひとり税理士」として活動しています。

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