「働き方改革」は結局「働かせ方改革」? 誰のための法案なのか考えてみる

現在いわゆる「働き方改革関連法案」について国会が紛糾しております。

国会における政治家さんとお役人さんのやりとりを見ていて「それでよく労働者の生産性を語れるな…」とつい感じてしまいますが…。

果たして国が主導しようとする国民の労働体制はいつまで続くのでしょうか。


※豊國神社より

 

目次

そもそも「働き方改革」の目的って何?

首相官邸のHPによると「働き方改革」を一言(キャッチフレーズ)で表すと次のようなものになるようです。

『働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。』

なるほど、確かにこれが実現すれば理想の国になりそうですね。

個人個人に合った働き方ができ、格差もなくなり、それにより経済成長して景気も好循環になる。

過去何回もこういった取り組みがあったと思いますが、その後の検証ってしっかりしているのかな…と思いますが。

そもそも現代の日本人の働き方は、大戦後の焼け野原から始まり、欧米に追いつけ追い越せ、そして大量生産大量消費といった、いわば経済成長とともに自然と、そして効率的に作り上げてられた構造だと思っています。

そういった、作れば作っただけ売れた時代も終わりを迎え、各大手企業は中々過去の栄光を捨て去ることもできず、次々と外資企業に買収されたり倒産の憂き目に合っています。

集団で総力をあげて利益をあげてきた企業にとって、集団で利益を出すことが出来ない現在の市場では、人件費が非常に負担になっているのも事実です。

当然、社会構造上その負担の煽りを受けるのは、最終的に中小零細企業になるでしょう。

中小企業庁も色々考えているとは思いますが、あくまで経済産業省の外局です。

野党支持ではありませんが、誰のための改革なのか、結局誰が得するのか、政府の公表やマスコミに左右されることなく自分自身の頭で考えることが必要です。

 

「裁量労働性」って言うけど…

「裁量労働制」

これについても色々批判がされています。

ただし日本の将来にとって目指すべき方向としては有りなのではないか、と考えています。

もちろん現状の企業の体制から見たら、こういった形だけ取り組みは確実に失敗すると思いますが…。

自然とそうなっていくと思いますが、私なりの将来的なゴールで言うと「個人事業主」の集合体でしょうか。

「裁量」するためには独立した行動を取れることが必須となります。

当然拒否したり意見することも出来なくてはなりません。
それが出来ない職場であれば違う職場に行けばいいだけのこと

会社組織に帰属する以上は最低限のルールは保たなければなりませんが、そういった「個人事業主」のような裁量を与えなければ「裁量労働制」を普及させることは不可能でしょう。

ただし、そこには個人の責任も伴ってきます。
上司に言われたことだけ、や上司の指示に従ってれば、などと言った甘いことは通用しなくなります。

自分自身の能力を高める努力も必要ですし、何よりも自分の力で行動し稼ぐことが出来るようになることが必要になります。

そう言った雇う側も雇われ側も、今までの労働体制と180度変わるような意識改革が必要となってくるでしょう。

だから、ただ「裁量労働制は悪だ!」と現状だけを見て宣うのではなく、日本の将来を見据えた、つまり働き方の根源を変えるには何が必要なのかをもっと深く考える必要があるのではないでしょうか。

 

先に行動をする

そうなってくると将来的に「言われたことを指示に従ってやる」と言った仕事は無くなっていきます。

当然AIの進化もありますので自然と無慈悲に行われていくでしょう。

だったら、そういった仕事が失われる先に、「裁量」を与えられて行動できる働き方を学び、そして身につけることに注力するべきだと考えています。

「裁量労働制になっても残業代が減るだけだよ」とか「形ばかりで実態は全然違うよ」とか言っていても何も変わりません。

なら裁量を与えられて行動できるような人材になるにはどうすればいいか、を考えた方が時間を有効に使えるのではないでしょうか。

中小零細企業では、「裁量ある上司」が「裁量ない部下」に仕事を丸投げし、「私は裁量労働制だから」とそそくさと帰ってしまう人もいるかもしれません。

そういった現状を打破するためには自分で「裁量」を持てるようにならないと、一生都合の良いようにこき使われてしまいます。

いずれやってくる「個人事業主」の集合体の社会。

人より先に「次の一歩」を踏み出してみる時代にきているのかもしれません。

 

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【編集後記】

2020年東京オリンピック・パラリンピックのマスコットが決まりました。

総費用が3兆円を超えると言われている東京五輪ですので、その回収に向けてこれからも五輪ブームを盛上げるべく様々な催しが行われるでしょう。

アスリートの極限のぶつかり合いは人を興奮させますが、そこに営利的なものが見えると人は冷めてしまいます。

いろんな利権があるとは思いますが、アスリート同士が対等にぶつかり合える、そして人を感動させる、それがオリンピックの醍醐味だと思いますので、そういった原点を忘れずに東京都も頑張って欲しいと思います。

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この記事を書いた人

1978年9月 茨城県水戸市生まれ、埼玉県春日部市育ち。
東京都渋谷区在住。愛犬は4歳、娘2歳。
趣味は、野球(毎週日曜日)、愛犬の散歩。

雇われない・雇わない生き方である「ひとり税理士」として活動しています。

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