始まりがあれば終わりがある。
毎年10万以上の会社が設立されると同時に、3万以上の会社が休廃業、解散、倒産しています。
会社は清算結了の登記をして消滅することになります。
が、払っていない税金があった場合、清算して会社(※)が消滅したとしても税金の納税義務は無くなりませんので注意しましょう。
(※)以下、会社を含む「法人」と記述します
※自宅にて
清算結了した法人の納税義務はどうなる?
法人は、清算結了の登記をすることにより消滅することになります。
しかし、結了登記を行うことで会社法上消滅したとしても、法人税の納税義務については “実質的に判断” されるものとされるため、法人税を納める義務を履行するまでは存続するものとされます。
(法人税基本通達1-1-7)
つまり、その法人が課されるべき法人税を納付しないで清算結了の登記をしたとしてもその法人の納税義務は消滅せず、徴収すべき額に不足が生じる場合には、清算人などが第二次納税義務を負うこととされています。
(国税徴収基本通達34-13)
第二次納税義務って?
第二次納税義務の意義について
『第二次納税義務』とは、納税義務者が租税を滞納した場合において、その納税義務者の財産について滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められるとき限り、その納税義務者と人的・物的に特殊の関係がある者に対して、第二次的にその納税義務を負わせる制度です。
つまり、本来の納税義務者から税金を徴収しきれない場合は、第二次的に別の者に納税義務を負わせ、(効率的に)残額を徴収しようとする制度です。
第二次納税義務を負うのは?
第二次納税義務を負うのは、解散した法人の清算人および残余財産の分配または引渡しを受けた者になります。
※上記は、解散した法人が納付すべき税金を納付しないで残余財産を分配・引渡しをし、その法人に対し滞納処分をしてもなお、その徴収すべき額に不足すると認められる場合に限ります。
残余財産の分配を受けた者とは
『残余財産の分配を受けた者』とは、法人が清算する場合において、残余財産の分配を受けた株主、社員、組合員、会員等をいいます。
※「法人」は株式会社だけでなく、合同会社、合資会社、合名会社の他に、社団法人、財団法人、NPO法人なども含みます。
また、こちらのケースは少ないですが、『残余財産の引渡しを受けた者』とは、法人が清算する場合において、残余財産を ”残余財産の帰属等(一般社団法人・一般財団法人に関する法律239)” の規定により処分を行ったときにその処分の相手方となった者をいいます。
これらの分配・引渡しですが、法人の解散後に行われたものに限らず、解散を前提にそれ以前に行なわれた分配・引渡しも含まれますので、注意が必要です。
第二次納税義務の範囲
「清算人」や「残余財産の分配を受けた者」が負う第二次納税義務ですが、それぞれの第二次納税義務の範囲は次の通りとなります。
・清算人…分配等した財産の価額を限度とする
・残余財産の分配を受けた者…受けた財産の価額を限度とする
(国税徴収法第34条第1項、国税徴収基本通達34-7)
なお、この場合における財産の価額は、残余財産の分配等をした時におけるその財産の価額とされています。
(国税徴収基本通達34-8)
まとめ
上記より、残念ながら「会社を消滅させれば税金を払わなくて済む!ラッキー!」とはなりません…。
未払税金の徴収は、無慈悲に粛々と遂行されていきます。
徴収側も好きでやっている訳ではなく、あくまで法律にのっとった仕事なので逆らわないようにしましょう。(間違っていることは間違っていると言いますが)
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【編集後記】
現在揺れている朝鮮半島ですが、金委員長が韓国との板門店での南北首脳会談開催に合意したと報道がありました。
このところの動きを見ていると、韓国の文在寅大統領よりも北朝鮮の金正恩委員長の方が、外交に関し一枚上手のように感じます。
文在寅大統領の行動を見ていると、なにやら八方塞がりのような感じで、どこに対してもいい顔をしようとしては失敗をしています。
現在はそれなりの支持率の高さがありますが、今後は一気に減速していく可能性が高いと思っています。
弁護士出身の優等生でもある文在寅大統領。
オバマ大統領もそうでしたが、弁護士経験のある政治家は非常に雄弁であり、かつ聴衆を惹きつける魅力を持っています。
ただ、国のトップにたったからには綺麗事ばかり言っていても前には進めません。
次世代の韓国をどうしていきたいのか、そのためには周辺国とどう関係していけば良いか。
その辺りがいつまでもはっきりしないので、関係国はイライラしてしまうのではないでしょうか。